こんにちは。院長の波木です。
前回は、私が「ジャズ」というジャンルに
足を踏み入れた経緯をお話ししました。
本格的にハマったきっかけは、
偶然見つけたライブ告知でした。
近隣の本八幡駅近くのライブハウスで、
ギターカルテットのライブがあるということを知り、
友人を誘って、日曜の夕方に観に行きました。
2018年10月7日 日曜日@本八幡 cool jo jo
リーダーのギター増尾好秋氏率いるグループでしたが、
その友人曰く「世界的に有名なギタリストですよ。
自分もライブを見に行ったことがあります」と。
そんな前知識もなく、ライブを鑑賞していました。
編成は、ギターがフロント、
後ろにドラム、ベース、
ピアノがほぼ並列になる編成でした。
ギターの繊細で、温かみと味のあるフレージング、
若いドラムのアグレッシブな感じ、
ベースのグルーヴ・・・
確かに良かったのですが、
私の耳に鮮烈に残ったのは、
顔も見えない位置で演奏している
ピアノの音色でした。
後ろにいるのに前で演奏しているような存在感、
メインであるギターを決して邪魔しないけど、
オリジナリティがある。
特に左手の使い方が素晴らしく、
ただコードをおさえるのでなく、
右手に勝るくらいの速さで弾く。
これはただモノでは無い・・・
と直感しました。
ピアノを演奏していたのは『永武幹子』さん。
以下略歴
『船橋市出身。5歳よりクラシックピアノを始め、
ヤマハ音楽教室で寄島清美氏に師事、
演奏技術だけでなく、即興演奏や作曲の基礎を学ぶ。
渋谷幕張高校卒、早稲田大学法学部入学後、
同大学モダンジャズ研究会でジャズに目覚める。
現在は、増尾好秋(guitar)YOSHIAKI MASUO GROUP、
酒井俊(vocal)グループ、 峰厚介(t.sax) M’s Threeなどに
参加する他、 自身のピアノトリオ
”永武幹子Trio”, ”J.J.Soul”や 加納奈実(a.sax&s.sax)との
Duoユニット”Jabuticaba”をメインに、
東京都内のジャズクラブや
ライブハウスを中心に活動している。 』
クラシックのピアニストを
数十年間あまた聴いている私の経験値でも、
計り知れない「実力」と「器」を感じて、
その後すぐに市川のライブに行き、
その直感は確信に変わりました。
「永武 幹子 solo piano@プラス・イレヴン」
https://www.youtube.com/live/caDHsNE10sA?si=OZuQiz9hAe1EYEA3
ライブプログラムは、ソロであれば、
3ステージ、デュオであれば2 or 3ステージ、
トリオ以上であれば2ステージということが多いのですが、
彼女は難易度の高い曲を、
1ステージに必ず一曲は入れてきます。
上の動画中では、一曲目の
「The Village / 穐吉敏子」。
この曲は、元々のモチーフが、
「木更津甚句」という民謡。
左手が7拍子という変則的な拍子の上に、
民謡調のメロディーを複雑な和音で被せる。
これは、聴いている感覚以上に高度なテクニックで、
左手の速いパッセージを、強く、
リズムを崩さずに弾くだけでも普通は困難!
クラシックで例えるならば、
左手がラフマニノフの
プレリュードのアルペジオに、
右手はフランツ・リストの超絶技巧。
両手の五指を最大限に使って、
オクターブを正確無比に弾きつつ、
魅惑的な旋律を
随所に散りばめている点が共通している。
彼女のレパートリーの中から、
難曲をいくつか挙げます。
「European Episode / Jaki Byard 」
https://youtu.be/WuGFflgGqZM?si=ycw6wr9F8XaiR_K3
この曲も、左手の複雑なパッセージと
右手の速弾きが何重にも組み合わさって、
組曲的な起承転結の構成。
まぁ演奏する人はいないだろう〜と思う曲を、
彼女は面白い!と思って、コピーして、
さらに自分のものにしてしまう。
「The Bach Suite – Allegro / Oscar Peterson」
https://youtu.be/EXVYpMjVdoU?si=nwn5roqGwO8YclO7
前半はメロディアスな優しい曲調。
展開した先は、オスカー・ピーターソンが
敬愛するバッハの手法を模した、
ジャズではあまり使わない主題。
変奏曲風にそのテーマを展開していく。
上の動画ではカルテットで演奏されているのだが、
これをソロピアノでやってしまうのだから、
もはや唖然とするしかない。
元来がバッハ大好きな私に、まさにジャストフィット♪
(永武さんもバッハを弾くのは、好きだそう)
「Captain Senor Mouse / Chick Corea」
https://youtu.be/d4ERYIVdq_M?si=L9afzH9JONEzM-we
この曲は、チック・コリアと
ゲイリー・バートンとのデュオで
1973年にリリースされた。
前半はラテン乗りの明るい曲調。
左手はかなり複雑なリズムとフレーズ。
組曲的な曲の構成に加えて、
チック・コリアならではの、
キメと叙情的なコード進行。
ヴィブラフォンの中島香里さんとのデュオで、
彼女は初見(練習もせずに楽譜を見てすぐに演奏する事)で
この曲を弾いてしまった。。
チック・コリアファンの自分は、
リアルに演奏を聴いた感動ももちろんあったが、
それを通り越して呆然・・・
彼女は、作曲家としても稀有な才能を見せています。
オリジナル曲をはじめとした曲を
収録したCDを毎年のように録音し、
発表しています。
そのどれもが完成度が高く、
ユニットによってコンセプトを変え、
違う表現をみせるのも魅力です。
特にマイナー調の暗い曲が秀逸。
発売中のCD
・「Fairway 」eFreydut
・「Into The Forest」永武幹子トリオ
・「Breathe Beneath the Sun」永武幹子トリオ
・「Solo」永武幹子
・「Locura de Amor」永武幹子&天辰直彦
・「ジャボチカバ」Jabuticaba
東京証券取引所で行われたライブより。
「Session4:永武幹子トリオ 永武 幹子 (Pf) 織原 良次(B) 吉良 創太(Ds) 2021年12月10日 」
https://youtu.be/Kr74DUAzOb0?si=ZgH5yTdPBdWcbsr4
現在、都内を中心に活動している彼女の、
千葉で行われるライブには可能な限り行っています。
2023年7月28日 船橋市主催
「ちょっとよりみちライブ」より
この記事を見て、彼女の演奏に興味を持たれた方は、
是非とも生の演奏を聴いて欲しい♬
船橋 コクリコット & コクリコットフォルテ
https://coquelicot-jazz.com/
柏 ナーディス
http://knardis.com/knardis.com/Welcome.html
本八幡 cool jo jo
https://www.cooljojo.tokyo/
私が彼女の演奏に傾倒している理由が
わかってもらえるかもしれません。
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